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2026/02/24 11:30電子版企画

はるみんオススメ書籍(27)『一次元の挿し木』 

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 インドのループクンド湖で発掘された200年前の人骨。大学院で遺伝人類学を学ぶ七瀬悠がDNA鑑定にかけると、4年前に失踪した妹のものと一致した。妹は悠が10代の頃、母親の再婚相手の連れ子。2人は家族以上の愛情で結ばれていく。

 不可解な鑑定結果から担当教授の石見崎に相談しようとするも、石見崎は何者かに殺害される。続いて、古人骨を発掘したインドの調査員も殺害される。そして研究室からは古人骨が盗まれた。

 24年前、200年前の人骨を入手した、製薬会社を経営する義父の七瀬京一と石見崎、そして分子生物学者の仙波佳代子は、何を研究していたのか。悠は妹の生死と、古人骨のDNAの真相を突き止めるべく動き出す。

 現在、細胞のクローン技術が進み、再生医療や研究は格段に向上している。しかし、それが細胞レベルではなく、個体そのものであればどうなるだろう。ペットが亡くなり、悲しみのあまり「クローンペット」を作った人もいる。生死の境界はあやふやになり、やがてなくなるのだろうか。

 2026年1月1日、フリーアナウンサーの久米宏さんが、肺がんのため81歳で死去した。元TBSアナウンサーで、同局の人気音楽番組「ザ・ベストテン」での黒柳徹子さんとの司会が面白くて、10代の私は毎週楽しみに見ていた。

 そして1985年(昭和60年)10月7日、久米さんがメインキャスターのテレビ朝日の夜の大型ニュース番組「ニュースステーション」がスタートした。当時テレビ局に興味を持っていた私の弟は、高校の修学旅行で東京に滞在する際、叔父(父の弟)の仕事のつてで、テレビ朝日に見学に行った。
 
 弟はその時、久米さんに会っている。「どんな感じだった?」と聞いたら「白くて細かった」そうだ。それから「あの時『アフタヌーンショーのヤラセ事件』で謝罪会見とか、大量のスポンサー降板があって、局自体が揺れに揺れていたから“何としてでもこの番組は成功させる”ムードがあって、現場はピリピリで緊張感があった」と話していた。久米さんの訃報を受けて、思い出した出来事だ。

 『中学生でもわかるニュース』をコンセプトに始まった番組だったが、同時に大変な時期でもあった。久米さんが唯一無二の存在だったからこそ番組は好評で、その後多種多様なアナウンサーが輩出されたのだろう。

 ご冥福をお祈りいたします。

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「一次元の挿し木」松下龍之介(宝島社文庫)

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