衆院予算委で答弁する高市首相=7日午後
高市早苗首相は7日、就任後初の衆院予算委員会で、中国が台湾に武力で侵攻する事態「台湾有事」を巡り、安全保障関連法の規定で集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」に当たるかどうか問われ、状況次第で該当するとの見解を示した。「戦艦を使い、武力の行使も伴うものであれば、存立危機事態になり得るケースだと考える」と述べた。財政健全化の指標である基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標への考え方は見直すと明言した。
首相は台湾を巡る状況に関し「深刻な状況に至っている。最悪の事態を想定しなければならない」と説明。2015年成立の安保関連法では、政府が存立危機事態と認定すれば、日本を直接攻撃していない相手に、集団的自衛権の行使ができるようになった。
PBに関し、首相は「単年度ごとの考え方は取り下げる。数年単位で達成状況を確認する方向への見直しを検討している」と答弁、単年度での評価は「先進7カ国(G7)の中でも特異だ」と主張した。複数年度での評価により、弾力的な財政出動を可能とする狙いがあるとみられる。
立憲民主党の本庄知史氏は「(財政健全化の)先送りになりかねない。目標を放棄したように聞こえる」と指摘した。
PBは、社会保障や公共事業などに充てる政策的経費を、借金である国債の発行に頼らず税収などの基本的収入でどの程度賄えているかを示す指標。政府は今年6月の経済財政運営の指針「骨太方針」で、25年度としていた黒字化目標を「25~26年度を通じて可能な限り早期」と記した。
先の大戦を巡る歴史認識に関し、首相は戦後談話を含め「歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる。これからも引き継いでいく」とした。
物価高などの影響で経営が悪化している医療機関や介護施設を支援するため、26年度の診療報酬改定などを待たず、今国会に提出予定の25年度補正予算で対応する意向を表明。生活保護基準の引き下げを違法と認め、国の処分を取り消した6月の最高裁判決を巡り「深く反省し、おわびする」と国として初めて謝罪した。

































































