
自民党の参院選総括委員会の会合に臨む森山幹事長(中央)ら=2日午前、東京・永田町の党本部
◆―― 森山幹事長の進退注目 午後に両院議員総会
自民党は2日午前、参院選大敗に伴う総括委員会の会合を党本部で開いた。前回会合で示した総括報告書の修正案を提示し、集約を図る。「政治とカネ」問題など複数の敗因を挙げた上で「解党的出直しに取り組む」と明記する方向で最終調整している。内閣支持率や党の支持率低迷が影響したとも言及する見通し。関係者が明らかにした。
午後に両院議員総会を開いて報告した後、公表する方針だ。石破政権の屋台骨である森山裕幹事長は総括後の辞任に含みを持たせており、進退を表明する。
石破茂首相(党総裁)は総括委に先立ち党役員会に出席し、両院総会について「虚心坦懐受け止めたい」と語った。
森山氏は役員会後の記者会見で、石破内閣の副大臣や政務官から相次ぐ総裁選前倒し論をけん制した。「首相を支える政務三役も責務をしっかり果たしていただけると信じている」と述べた。
総括委は8月29日の会合で報告書素案を基に議論し、記述が不十分との指摘が出て一部修正した。参院選の敗因として派閥裏金事件といった「政治とカネ」問題や、能登半島地震に関する所属議員の失言、物価高対策として公約した現金給付などを挙げる方向だ。
内閣支持率の低迷に触れる一方、首相の個人的責任には言及を避け、大敗を「党全体の責任」と捉える内容になる見通し。党内には、首相に対し昨年の衆院選と今年6月の東京都議選に続く敗北の責任を取るよう求める意見も根強い。
両院総会後、総裁選挙管理委員会は総裁選前倒しの是非を巡り、所属国会議員と都道府県連に意思確認の通達を出す予定。前倒しを求める議員からの書面提出は、今月8日を想定している。
【自民党の参院選結果】 7月20日投開票の参院選で、自民は改選52から39議席に激減した。全体の勝敗を左右する全国32の改選1人区で14勝18敗と負け越したことが響いた。連立を組む公明党も改選14から8議席に後退。石破茂首相が勝敗ラインに設定した「与党で非改選を含む過半数の議席確保」を達成できず、昨年の衆院選に続く大敗で衆参両院とも少数与党に陥った。首相は「政治空白をつくるべきではない」として続投を表明したが、中堅・若手議員を中心に退陣要求が相次いだ。