
震度6弱の地震が発生した鹿児島県十島村の悪石島から避難するため、フェリーに乗り込む人たち=4日午前7時16分(共同通信社機から)
震度6弱の地震が3日に発生した鹿児島県十島村の悪石島で、島外への避難を希望する小中学生や高齢者を含む一部の住民ら13人が4日朝、村営フェリーで島を出発した。夕方に鹿児島市に到着する見込みで、1週間程度の避難が想定されている。村は、今後も希望者がいれば対応を検討する。悪石島では4日も震度4を観測するなど、地震が続いている。
トカラ列島近海では6月21日以降、震度1以上の地震が千回以上観測されている。村によると、震度6弱の地震があった今月3日夕の時点で、島内にいるなどしたのは76人で、全員の無事が確認された。3日までに人的、物的被害は確認されていない。
4日午前9時3分ごろには震度4を観測。気象庁によると、震源地はトカラ列島近海で震源の深さは約20キロ。地震の規模はマグニチュード(M)4・4と推定される。気象庁は、揺れの強かった地域は当分、震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけている。
悪石島では2021年12月にも震度5強の地震を受け、一部の住民が鹿児島市と同県・奄美大島に避難したことがある。
【トカラ列島】鹿児島県の屋久島と奄美大島の間約160キロに点在する有人7島と無人5島の計12島の総称。行政区分は同県十島村で、役場は鹿児島市にある。近海では過去にも地震活動が活発化し、短期間に地震が相次いだケースがある。小規模な地震が頻発する中で、比較的マグニチュードの大きい地震も発生。気象庁によると、近年では1995年12月、2000年10月、11年3月、21年12月、23年9月などにも数週間から数カ月の間に地震が集中した。