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2025/12/10 05:00地震

「後発地震注意」を初発表、1週間「特別な備え」必要 青森で地震6強、51人けが

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強い地震があった青森県東北町の陥没した道路で作業する人たち=9日午後0時8分

 8日午後11時15分ごろ、青森県八戸市で震度6強の地震があった。気象庁は9日未明、巨大地震の発生可能性が平常時より相対的に高まったとして「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を、2022年12月の運用開始後、初めて発表した。対象は北海道から千葉県の7道県182市町村。1週間程度は社会活動を継続しつつ、すぐに逃げられる態勢の維持など「特別な備え」が必要だ。

 気象庁によると、震源は青森県東方沖で震源の深さは54キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7・5。岩手の久慈港で70センチを観測するなど各地に津波が到達した。地震活動が活発な状態が続く。各道県への取材では、北海道、青森、岩手で計51人がけがをした。

 各地で住民が一時避難し、断水や停電、小中高の休校、新幹線や鉄道の一部運休も出た。青森県と岩手県は一部自治体に災害救助法を適用した。

 原子力規制庁などによると、北海道と東北に立地する原発に異常は確認されなかった。青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場では核燃料を保管するプールの水があふれたが、建屋の外には流出しなかったという。

 政府は官邸危機管理センターに官邸対策室を設置し、高市早苗首相は政府一体の対応を指示した。気象庁は地震直後に北海道太平洋沿岸中部から青森県、岩手県に津波警報を発表。9日未明、津波注意報に切り替え、早朝に全て解除した。

 注意情報は日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定震源域で、精査したMが7以上で発表する。7日以内にM8級以上が起きるのは100回に1回程度とされている。国や自治体は事前避難の呼びかけはしない。今回、気象庁が精査したMは7・4だった。

◆―― 苫小牧では2人軽傷
 青森県で震度6強を観測した地震ではけが人が相次ぎ、苫小牧市では転倒で2人が軽傷を負った。共同通信の集計では北海道と青森、岩手の3道県で少なくとも計51人に上った。液状化とみられる現象や断水が発生し、学校も休校。病院でも浸水被害があった。

 各道県への取材では、道内のけが人は11人で、内訳は重傷1人、軽傷10人としている。青森県では36人が負傷。岩手県では自宅で転倒するなどして4人がけがをした。

 文部科学省などによると、公立の小中学校、高校などの休校は道内で計48校、青森県で計139校。国土交通省によると、水道管が破損し、青森県七戸町と階上町、岩手県久慈市と軽米町で断水が発生した。

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