６０歳の誕生日を迎えられた秋篠宮さまと紀子さま＝１日、東京・赤坂御用地（宮内庁提供）

　秋篠宮さまは３０日、還暦となる６０歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、東京・赤坂御用地の赤坂東邸で記者会見し、戦後８０年の節目について「改めて先の大戦へ思いをはせ、平和な世の中が継続していることの大切さを考えるきっかけになった」と述べた。その上で「過去に学びながら、二度と繰り返してはいけないと、一人一人が確認することが大事」とした。

　７月に訪問した広島で若い世代と交流したことを振り返り「戦争や核兵器について学び、国内外の同世代と共有し、活動している姿を大変頼もしく思った」と述べた。

　還暦については「そういう年齢になったんだなという感想があるくらい」とし、９月に成年式に臨んだ長男悠仁さまの様子を見て「大人になったんだなと感じた」と述べた。悠仁さまは充実した大学生活を送り、自炊でポテトサラダや栗ご飯を作った写真が送られてきたエピソードを明かした。

　妻の紀子さまとは結婚３５年となった。「わがままな夫をよく支えてくれて感謝している」と語った。米国で暮らす長女小室眞子さんが第１子を出産し「とてもうれしい気持ちになった。おじいさんになったんだなという、若干複雑な思いもした」と笑った。「もし日本に来る機会があれば、ぜひ会いたい」とした。

　次女佳子さまの結婚について話し合っていることは「特にありません」と述べた。

　皇族数の減少と公務の在り方を巡っては「高齢化も含めて、公的な活動の担い手が減ってきているのは間違いない。しかし、状況を変えるのは、今のシステムではできない。全体的な公的な活動の規模を縮小するしか、今はないのではないか」との認識を示した。

　この１年で印象に残った出来事として、大阪・関西万博やコメ価格の高騰などを挙げた。各地のクマ被害にも言及し「人への被害がなくなることが一番大事だ。その上でクマと人が共存できるようになることを願う」と話した。