
首相官邸に入る石破首相=17日午前
◆―― 高市氏は私費で玉串料
石破茂首相は17日午前、東京・九段北の靖国神社で始まった秋季例大祭に合わせて「内閣総理大臣 石破茂」名で「真榊」と呼ばれる供物を奉納した。関係者によると、19日までの期間中、首相は参拝せず、自民党の高市早苗総裁も参拝を見送る方向。高市氏は私費で玉串料を納めた。関係者が明らかにした。有村治子総務会長ら自民幹部が参拝。超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーも集団参拝した。
高市氏はこれまで、閣僚在任中も終戦の日の8月15日や春秋の例大祭に靖国神社を参拝してきた。自民総裁としての参拝は、中国や韓国の反発を招く可能性が高く、外交問題への発展を避ける狙いがあるとみられる。
有村氏は参拝後、玉串料を私費で納めたと記者団に明らかにした。高市氏の参拝の有無を巡り「総裁の気持ちを預かり、お参りさせてもらった」と語った。新藤義孝組織運動本部長も個別に参拝した。
一斉参拝には自民の古屋圭司選対委員長や参政党の神谷宗幣代表らが参加。自民や日本維新の会、国民民主党の議員ら約60人が参拝した。議連の逢沢一郎会長(自民)は参拝後の記者会見で戦後80年の節目に触れ「日本の繁栄の礎となった英霊に尊崇の念を持って心静かに参拝した」と述べた。
林芳正官房長官は会見で、首相は私人の立場で真榊を奉納したと説明。政府として中国、韓国など隣国との関係強化の方針に変わりはないと表明した。
首相は就任以降、昨年の秋季例大祭、今年4月の春季例大祭でも真榊を奉納。終戦の日には自民総裁として玉串料を私費で納めた。いずれも参拝はしなかった。