
5回、ソフトバンク・川瀬(奥)に決勝打を許した日本ハム・達。右は本塁へ向かう三走山川=みずほペイペイドーム
プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は20日、パ・リーグのファイナルステージ第6戦が行われ、ソフトバンクが2―1で勝ち、リーグ優勝によるアドバンテージを含め4勝として、2年連続22度目(南海、ダイエー時代を含む)の日本シリーズ進出を決めた。最優秀選手(MVP)にはモイネロが選ばれた。
日本ハムは第3戦から3連勝したが一歩及ばず、2年連続のファイナルステージ敗退となった。
日本シリーズは25日にみずほペイペイドームで開幕する。セはリーグ優勝の阪神が既に進出を決めている。
◇みずほペイペイドーム 第6戦 3勝3敗
日本ハム 000 100 000|1
ソフトバンク 001 010 00×|2
▷勝 モイネロ2試合1勝
▷S 杉山3試合2S
▷敗 達2試合1敗
▷観客 39942人
▷試合時間 2時間44分
【評】ソフトバンクが競り勝った。1―1の五回に川瀬の適時打で勝ち越した。モイネロは球威、変化球の切れが十分で、7回を1失点の力投。松本裕、杉山とつないで反撃を許さなかった。日本ハムは五回以降は無安打と攻め手を欠いた。
◆―― モイネロ打てず
土壇場からの逆襲で王者を追い詰めたものの、日本ハムはあと一歩及ばなかった。最終戦で競り負け、2年連続でファイナルステージ敗退。第1戦に続きモイネロに抑え込まれ、新庄監督4年目のシーズンは幕を閉じた。
第3戦からの3試合で計22得点。勢いに乗って臨んだはずだったが、モイネロが一枚上手だった。これまで打線を引っ張ってきたレイエスは今CSで初の無安打。0―1の四回に郡司の適時二塁打で追い付くのが精いっぱいで、五回以降に出した走者は四球の1人だけだった。八、九回は松本裕、杉山の継投の前に3人ずつで片付けられた。
この日先発した達を含め、福島や古林睿煬ら若手がCSの大舞台で力投し、昨年は1勝もできなかったファイナルステージで3勝。終盤まで優勝を争ったレギュラーシーズンに続き、ソフトバンクとの差が縮まっていることは確かに示した。新庄監督は既に続投が決定。来季こそ頂点を狙う。
◆―― 達、力出し切る 中4日で2失点
重圧を感じさせず、力を出し切った。中4日での登板となった日本ハムの達は5回2/3を2失点。日本シリーズ進出は逃したが、堂々の投球だった。「全体的にまとまっていた」とコメントした。
立ち上がりから制球良く投げ込み、決め球のフォークボールでアウトを重ねた。ただ、三回に1死一、二塁での一ゴロを清宮幸が二塁へ悪送球し、不運な形で先制点を許した。1―1となって迎えた五回は、2死満塁から川瀬に右前へ勝ち越し打を浴びた。「モイネロ投手より多く点を取られてしまった」と交代する際は悔しさをにじませてベンチに引き揚げた。
初のCSで、第1戦の6回無失点に続く好投。大一番でも「準備をしてきた。『来たな』という気持ち」と臆することなく、マウンドで力を発揮した。
プロ4年目の21歳。8勝2敗、防御率2・09だったレギュラーシーズン以上に短期決戦で輝きを放った。「いい経験をしている」と新庄監督。来季のさらなる飛躍を予感させた。
◆―― 監督談話
新庄監督 「めちゃくちゃいいファイナルだったし、めちゃくちゃいいシーズンだった。やっぱり1位同士がいくのが日本シリーズだと思う」