
TikTokのロゴと米中両国の国旗(ロイター=共同)
【ワシントン共同】トランプ米大統領は25日、米IT大手オラクルなどの企業連合による中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の買収計画を承認する大統領令に署名した。具体的な枠組みは明示しなかったものの、120日以内に買収を完了させるとした。
トランプ氏と共にホワイトハウスで記者団の取材に応じたバンス副大統領は、米国事業の評価額が約140億ドル(約2兆円)に上るとの見通しを示した。
米政府によると、オラクルなどが新たに設ける企業連合が米国事業を運営する。ティックトックを手がける字節跳動(バイトダンス)の保有株式は20%未満とする。株式と取締役はいずれも米国側が過半を握り、中国側の影響力を抑える。
トランプ氏は記者会見で「全面的に、米国側が事業を運営することになる」と語った。買収には巨大なメディア企業グループを築いて「メディア王」と呼ばれるルパート・マードック氏や、米IT大手デル・テクノロジーズのマイケル・デル最高経営責任者(CEO)らも参加するとの見通しを改めて示した。
米CNBCテレビは25日、オラクルや米投資会社シルバーレイク、アラブ首長国連邦(UAE)に拠点を持つMGXの3社が企業連合への主要投資家となり、株式の計45%を保有する方向で協議していると報じた。
ティックトックの米国事業売却を巡っては、トランプ氏と中国の習近平国家主席が19日の電話会談で協議。トランプ氏は、習氏が承認したと会談後に明らかにしていた。
【TikTok】短い動画をスマートフォンで手軽に投稿し共有できるアプリ。中国IT企業、字節跳動(バイトダンス)が、中国国内向けアプリの海外版として2017年にリリースした。米議会調査局によると、24年3月時点の米国のユーザー数は1億7千万人。トランプ米大統領も昨年の大統領選で活用したほか、ホワイトハウスも公式アカウントを開設した。