
記者会見で、自民党総裁選への立候補を正式に表明する茂木前幹事長=10日午後、国会
◆―― 小林氏意向固め来週会見へ
自民党の茂木敏充前幹事長は10日、国会内で記者会見し、総裁選への出馬を正式表明した。少数与党下の政権基盤を固めるため、連立枠組みの拡大を追求すると強調し、国民民主党、日本維新の会との協議に意欲を示した。「ポスト石破」候補の出馬会見は初めて。小林鷹之元経済安全保障担当相は出馬の意向を固め、来週に記者会見する調整に入った。既に出馬方針を固めている林芳正官房長官も来週に会見する方向だ。関係者が明らかにした。
党総務会は総裁選を22日告示、10月4日投開票とすると決定した。一方、立憲民主党など野党9党派は、政治空白の長期化は許されないとして臨時国会の早期召集を額賀福志郎衆院議長に求めた。衆院総議員半数超の239人の連名となった。
茂木氏は「自民党と日本経済を必ず再生の軌道に戻す。2年で道筋をつくる」と主張。少数与党の現状を踏まえ「基本的な政策が一致できる政党と新たな連立の枠組みを追求する」と言明した。
国民民主党と昨年合意したガソリン税の暫定税率廃止について、2026年度の税制改正に盛り込むことが望ましいと述べた。維新が唱える副首都構想に関しては理解を示した上で「具体策を見極めたい」とした。
物価高対策としての参院選公約に入れた現金一律給付は否定した。代わりに、物価高を上回る賃上げが定着するまで、地方が地域ごとの課題に応じて自由に使える数兆円規模の交付金創設を提唱した。税収の上振れ分を財源に挙げた。
社会保障制度の在り方に関して「効率化の余地を徹底的に検証し、保険料の引き下げにつなげる」と言及し、応能負担が基本だとも語った。日米関税交渉合意を巡り、自動車への関税を15%に引き下げることが最優先だと訴えた。
消費税減税を巡り「野党も巻き込んで議論を進めたい」と述べた。企業・団体献金の在り方は「禁止よりも公開だ」として、透明性向上が重要との認識を示した。
高市早苗前経済安保相を支援する議員は国会内で対応を協議した。小泉進次郎農相は記者団に「まずは公務最優先で閣僚としての責任を果たしたい」と述べた。林氏は9日夜、維新の馬場伸幸前代表と東京都内で会食した。