
ロシアのプーチン大統領(左)と握手する中国の習近平国家主席=2日、北京の人民大会堂(新華社=共同)
【北京共同】中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は2日、北京で会談した。中国外務省が発表した。両首脳は「戦勝国」としての立場を誇示し、歴史問題で共闘する姿勢を見せた。本格的な対面会談は5月にモスクワで対ドイツ戦勝80年記念日に合わせて実施して以来。両首脳は北京で3日に行われる抗日戦争勝利80年の記念行事に出席する予定。
中ロの結束をアピールし、ウクライナ侵攻や貿易不均衡を巡り中ロに圧力を加えるトランプ米政権をけん制する狙いもある。ロシア高官は抗日戦勝行事の一環で実施される軍事パレードで中ロ両首脳と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が並ぶと明らかにしている。
会談で習氏は中ロ首脳がそれぞれの国で開催される抗日戦勝と対ドイツ戦勝の式典に出席するのは「第2次大戦の戦勝国で国連安全保障理事会の常任理事国という大国の責任」を果たし、戦勝の成果と正しい歴史観を断固として守る決意の表れだと主張。プーチン氏も同様の見解を表明した。
プーチン氏は8月31日から9月3日まで中国に滞在。ロシアメディアによると外国1カ国に4日間滞在するのは異例の長さとなる。
プーチン氏は中ロ首脳の緊密な接触は前例のない高いレベルにある両国関係を反映していると評価。習氏は中ロ協力が「大成功を収めている」と応じ、関係をさらに発展させると意欲を示した。
両国はエネルギーや宇宙、人工知能(AI)などの分野で20余りの協力文書を締結。中国外務省は人的交流を促進するためロシア旅券の所持者を対象に30日以内の短期滞在ビザを今月15日から免除すると発表した。
中ロ首脳はモンゴルのフレルスフ大統領を交えた3者会談も行い、国境を接する3カ国の関係強化を図る方針を示した。
プーチン氏は天津で1日まで2日間の日程で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議に出席した際、米アラスカ州での米ロ首脳会談について習氏と話し合った。