
バチカンのシスティーナ礼拝堂の煙突から上がる黒い煙=7日(共同)
【ローマ共同】世界に約14億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会の頂点に立つ次期ローマ教皇を決める選挙(コンクラーベ)が7日午後(日本時間8日未明)、バチカンのシスティーナ礼拝堂で始まった。枢機卿らによる1回目の投票後、礼拝堂の煙突から「選出されなかった」ことを示す黒い煙が上がった。選出は8日以降に持ち越しとなった。
投票には133人が参加。開始に先立って礼拝堂に入り、一人一人が聖書に手を置いて秘密の厳守などを宣誓。教皇庁儀典長の「エクストラ・オムネス」(ラテン語で「部外者は退出せよ」の意味)という言葉の後、会場の扉が閉められた。
礼拝堂に近いサンピエトロ広場では次期教皇の選出を待ちわびた4万人以上の信者らが「あー、黒だ」と落胆の声を上げた。オーストラリアからの女性観光客フィオーナさん(57)は「歴史的な瞬間を見たかったので(選出を示す)白い煙を願っていたけど仕方ない」と残念そうに話した。
枢機卿らは2日目の8日午前(日本時間同日午後)に再び集まり、投票を再開。同日以降は基本的に午前に2回、午後に2回、投票が実施される。
コンクラーベでは80歳未満の枢機卿による徹底した秘密投票が実施される。投票総数の3分の2以上の票を得る者が出たら、礼拝堂の煙突から白い煙を出し、決まらなければ黒煙を出して結果を知らせる。次期教皇は枢機卿の中から選ばれるのが慣例となっている。
【コンクラーベ】ローマ教皇を選ぶ選挙。語源はラテン語で「鍵をかけて」。13世紀に教皇が3年間も選出されない異常事態となり、鍵をかけた部屋に枢機卿らを閉じ込めて決めさせたことが由来とされる。選挙権を持つ80歳未満の枢機卿による秘密投票で、投票総数の3分の2以上の票を得る者が出るまで続く。教皇が選出されなければ礼拝堂の煙突から黒煙、選出されれば白煙を出して外部に知らせる。被選挙権は全ての男性カトリック信者にあるが、枢機卿の中から選ばれるのが慣例。(共同)