仙洞御所を散策される上皇さまと上皇后美智子さま=東京・元赤坂(宮内庁提供)
上皇さまは23日、92歳の誕生日を迎えられた。宮内庁によると、戦後80年の今年、天皇、皇后両陛下が硫黄島、沖縄、広島、長崎を巡った戦没者慰霊の訪問を見守り、薄れゆく「戦争の歴史」を伝えるテレビ番組を鑑賞するなどして、先の大戦に向き合った。体調面は5月に「無症候性心筋虚血」と診断され、新たな薬物治療を始めた。症状は比較的安定した状態を保っているという。
上皇さまは「忘れてはならない四つの日」とする沖縄慰霊の日、広島と長崎の原爆の日、終戦の日に例年同様、上皇后美智子さまと黙とうをささげた。8月は静養先の長野・軽井沢で、中国の旧満州から引き揚げた人たちが戦後入植した大日向開拓地に足を運び、満蒙開拓の歴史を振り返った。疎開時代の思い出や2016年のフィリピン訪問時に面会した残留日系2世らを思い起こした。
大阪・関西万博に合わせて海外王室が来日した際は、長年交流があるスウェーデンのカール16世グスタフ国王らとの再会を望み、仙洞御所で歓談して旧交を温めた。
聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京デフリンピック」を巡っては、上皇ご夫妻は1965年大会以降、参加選手と懇談を重ねてきた経緯があり、デフリンピックの発展を喜んでいるという。
長年関心を寄せるハゼの研究は、皇居の生物学研究所に週2回通うなどして続けている。































































