サイバー攻撃によるシステム障害について謝罪するアサヒグループホールディングスの勝木敦志社長(中央)ら=27日午前、東京都千代田区
アサヒグループホールディングスは27日、サイバー攻撃によるシステム障害に伴い、傘下のアサヒビールなどへ問い合わせをした顧客や社員らの個人情報191万4千件が漏えいした恐れがあると発表した。勝木敦志社長が東京都内で記者会見し「多くのお客さまや関係先に多大なるご迷惑をおかけしていることを心よりおわびする」と謝罪した。障害が9月29日に発生して以降、経営陣が公の場で説明するのは初めて。
アサヒは身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」の攻撃を受け、多くの工場で生産を一時停止した。現在もビールや飲料の出荷が滞っているが、勝木氏は12月からシステムによる受注や出荷を再開すると明らかにした。手作業で行っていたのを、通常の状態に順次戻すことを目指している。
勝木氏はシステム障害の影響で「通期業績の悪化は避けられない」と述べた。2025年12月連結決算の発表を延期することも公表した。
これまでに「Qilin」と名乗るハッカー集団がインターネット上に犯行声明を掲載。アサヒの内部文書や社員の個人情報とする画像を公開し、ファイル約9300件を盗んだと主張している。
【ランサムウエア】企業などのパソコンやサーバーに侵入し、機密文書や顧客情報のデータを暗号化して使えない状態にするコンピューターウイルス。復元と引き換えに金銭を要求する例が多く、英語で身代金を意味する「ランサム」と「ソフトウエア」から名付けられた。通販大手アスクルでも感染によるシステム障害で商品の受注や出荷が停止に追い込まれるなど、国内外で被害が深刻化している。

































































