
人質の引き渡しが始まったと報じられ、喜ぶ人たち=13日、イスラエル中部テルアビブ(共同)
【エルサレム共同】イスラエル軍は13日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスに拘束され、生存していた人質20人のうち、第1陣の7人が解放され帰還したと発表した。両者はトランプ米政権のガザ和平計画の「第1段階」に合意し、10日に停戦が発効。人質の解放で、2年余りの戦闘で6万7千人以上が死亡したガザの和平実現に向けて前進した。
ハマスによるイスラエル奇襲で人質が拉致されてから約2年後の解放。停戦発効時の人質は遺体を含め48人だった。拘束中に死亡した人質の遺体も返還されることになっている。国際社会で恒久的な戦闘終結への期待が高まっている。
トランプ大統領は9月29日、ガザ和平計画を発表し、イスラエルが同意したと表明した。ハマスは10月3日、条件付きで交渉の用意があると表明。8日にトランプ氏が第1段階の合意を発表した。イスラエル政府は10日、合意を正式に閣議で承認したと表明し、イスラエル軍は合意ラインまで部隊を撤収させた。
ハマスは2023年10月7日、ガザからイスラエルに越境して奇襲、約1200人が死亡し、約250人を拉致した。イスラエルとハマスは23年11月の戦闘休止の際、一部の人質とパレスチナ人収容者を身柄交換。今年1月からの停戦の際にも身柄交換が行われた。
【ガザ戦闘】パレスチナ自治区ガザで2023年10月に始まったイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘。ガザを実効支配していたハマスによるイスラエル奇襲が発端で、イスラエル軍が報復空爆し地上侵攻を強めた。23年11月下旬に1週間、戦闘を休止し、ハマス拘束の人質と、イスラエル拘束のパレスチナ人の身柄を交換。今年1月に両者の合意で停戦が発効し身柄交換が進んだが、イスラエル軍が3月18日に攻撃を再開した。イスラエル軍は9月から中心都市ガザ市制圧を目指し攻勢を強化。10月10日に停戦が発効した。