氾濫した米テキサス州のグアダルペ川を見つめる人々＝６日（ロイター＝共同）

　【ロサンゼルス、ワシントン共同】米南部テキサス州の中部で起きた洪水で、ＡＰ通信などは６日、死者が少なくとも８２人に上ったと報じた。州によると、氾濫したグアダルペ川近くのキャンプ場にいた少女らを含む数十人が行方不明。トランプ大統領は大規模災害に当たると宣言、連邦政府として捜索、救助を支援すると表明し、被災地を訪れる考えを示した。

　洪水は４日未明（日本時間同日午後）に発生。生存率が大幅に下がるとされる災害発生後７２時間を７日に迎える前に捜索活動が続いた。死者のうち、少なくとも６８人はテキサス州カー郡で発見された。警察は、子ども２８人が含まれると明らかにした。キャンプ場にいた少女ら約１０人の行方が分かっていないという。

　アボット州知事は、把握している以外にも行方不明者がいるとの見方を示した。

　トランプ氏は６日、東部ニュージャージー州の空港で、被災地訪問について「今日にも行くべきだが、おそらく１１日になる」と述べた。「１００年に１度の大惨事だ」とも語った。米国出身のローマ教皇レオ１４世はＸ（旧ツイッター）で、犠牲者の遺族に「深い哀悼の意」を表した。

　ＡＰ通信によると、キャンプ場で行方不明となった少女の家族らの現地訪問が６日に許可された。ぬれたマットレスや衣類が外に散乱した宿泊施設を訪れた女性と少女は、むせび泣きながら抱き合っていた。

　ＡＰは、グアダルペ川付近にはキャンプ場が点在していると報道。祝日である４日の米独立記念日に合わせて多くの人が訪れていたとみられ、行方不明者数の把握が困難になっているとの見方を伝えた。