
第27回参院選が公示され、街頭演説に拍手する人たち。20日投開票に向けて選挙戦が始まった=3日午後、東京・新橋(画像の一部を加工しています)
◆―― 20日投開票、過半数攻防
第27回参院選は3日公示され、20日投開票に向けて選挙戦が始まった。物価高対策や、自民党派閥裏金事件に端を発した政治とカネ問題、米政権の高関税措置への対応を主な争点に、石破政権への審判が下される。改選124(選挙区74、比例代表50)と東京選挙区の非改選欠員1補充の計125議席に522人が立候補。石破茂首相(自民総裁)は自民、公明両党で非改選を含む過半数の議席維持を勝敗ラインと設定しており、与野党の激しい攻防が展開される。
今回の参院選は、事実上の政権選択選挙との位置付けだ。衆院で少数与党の首相が参院でも過半数を割り込めば、政権運営が立ちゆかなくなり、政権交代につながる可能性が否定できない。自公の非改選議席は75議席で、50議席を得られれば過半数に届く。立憲民主党の野田佳彦代表は与党の改選過半数割れを目標とする。政権交代へ参院全体での過半数割れにも意欲を示す。
交流サイト(SNS)を活用した中小政党や新興勢力の獲得議席数も注目される。
勝敗を左右するのは32の改選1人区。うち17選挙区が事実上、自民と野党が対峙する構図となった。保守系の参政党は全選挙区に候補を立てた。
20日の日曜は3連休の中日。補欠選挙を除く国政選挙で、投開票日が3連休の中日になるのは現行憲法下で初めて。
立候補者数は、2022年の545人から23人減少。女性は152人で、22年の181人に次ぐ2番目の多さとなった。
首相は神戸市での第一声で、物価高対策として自民公約に盛り込んだ現金給付を年内に実施する意向を表明。「生活に困った方々に重点的に支給する」と述べ、野党のばらまき批判に反論した。
野田氏は宮崎県国富町で、石破政権の物価高対策を巡り「無策だ」と非難。食料品の消費税率0%は有効だと説明した上で「赤字国債を発行しない。財源を提示している。責任ある減税を果たす」と語った。
公明の斉藤鉄夫代表は所得税減税と現金給付を行うと明言。日本維新の会の吉村洋文代表は社会保険料引き下げを提唱した。共産党の田村智子委員長は消費税率5%への減税を主張。国民民主党の玉木雄一郎代表は「年収の壁」見直しによる手取り増を掲げた。
れいわ新選組の山本太郎代表は消費税廃止を訴えた。参政の神谷宗幣代表は大幅減税の必要性を強調した。