
参院選が公示され、第一声を上げる(上右から)自民党総裁の石破首相、立憲民主党の野田代表、公明党の斉藤代表、日本維新の会の吉村代表、共産党の田村委員長、国民民主党の玉木代表、(下右から)れいわ新選組の山本代表、参政党の神谷代表、社民党の福島党首、日本保守党の百田代表、みんなでつくる党の大津党首=3日午前
第27回参院選が3日公示され、20日投開票に向けて選挙戦が始まった。コメやエネルギーなどの物価高対策や、自民党派閥裏金事件に端を発した政治とカネ問題、トランプ米政権の高関税措置への対応が主な争点だ。昨年10月の衆院選で少数与党に転落した石破茂首相(自民党総裁)の政権運営に対する国民の審判が示される。改選124(選挙区74、比例代表50)と、東京選挙区の非改選欠員1補充の計125議席に、520人超が立候補を予定。午後2時現在で519人が届け出た。
中央選挙管理会(総務省)と都道府県の選挙管理委員会で立候補を受け付けた。519人の内訳は選挙区347人、比例代表172人。女性は152人で、過去2番目に多い人数となっている。比例では10政党、6政治団体が受理された。
前回2022年は545人が立候補し、女性は過去最多となる181人が届け出た。
自民、公明両党は非改選を含め定数248の過半数確保を勝敗ラインに設定する。自公が過半数維持に必要な50議席を得られるかどうかが最大の焦点となる。交流サイト(SNS)を活用した中小政党や新興勢力の獲得議席数も注目される。
立憲民主党の野田佳彦代表は与党の改選過半数割れを掲げる。参院全体での過半数割れにも意欲を示す。32の改選1人区のうち、立民、日本維新の会、共産、国民民主の4党が競合せず自民候補と対峙する選挙区は17になる見通しで、全体の勝敗を左右する。保守系の参政党は全選挙区に候補を擁立した。
首相は神戸市で第一声を行い「物価上昇を上回る賃金上昇を何としても実現したい」と述べた。物価高対策として自民公約に入れた現金給付について「年内に行き渡るようにしたい。生活に困った方々に重点的に支給する。ばらまきでも何でもない」と強調した。
野田氏は宮崎県国富町で、物価高対策を巡り「石破政権は無策だ」と批判し、食料品の消費税率を0%にすることが有効だと訴えた。「赤字国債を発行せず、責任ある減税を果たす」とも言及。農地維持のため、コメ農家への直接支払制度導入を明言した。
維新、共産、国民民主、れいわ新選組、参政の各党も消費税の減税や廃止を主張している。