
「稼ぐ力」向上へ移設や通年開館が検討されている室蘭民報みんなの水族館
◆―― 通年開館で収益向上へ
室蘭民報みんなの水族館(室蘭市祝津町)を含む祝津・絵鞆エリアのにぎわい創出に向けた検討を行っている室蘭市は19日、新たな水族館のイメージを2026年12月末ごろに公表する考えを明らかにした。絵鞆臨海公園内を基本に同館の移設の検討を進めていく。
同日開かれた市議会経済建設常任委員会(早川昇三委員長、6人)で報告した。
現水族館は道内最古の水族館として1953年に建築され、築71年が経過し老朽化が進んでいる。冬期間は休館し、館内にミュージアムショップがないなど赤字収支が続き、市は毎年7千万円程度を一般会計から負担している。
新水族館の方向性について市は①現エリアに集約されている観光資源との連携・ストーリー付けの意識②室蘭独自の魅力を発信③「稼ぐ力」を向上④通年開館⑤民間活力導入による整備を優先-の五つの方針を示し、「想いをつなぐ水族館」をコンセプトに設定した。
水族館の移設については、観光客の回遊性を意識し、絵鞆臨海公園内を基本とし、用地が限られているため、隣接する市有地の活用も検討。観覧車や豆汽車などの大型遊具は、維持管理コスト面から今後の取り扱いを検討していく。現在は冬期間休館となっているが、休館中も維持管理費が発生していることから、通年開館に移行して、収益の向上を目指す。
市は赤字を解消するためには、2024年度の入館者数を基に現行の体制で試算した場合、一人2260円の料金設定が必要と説明。西岡忠広委員(公明党)は「移設した場合、近隣施設と同様の料金設定にするのか」と尋ねた。市観光課は「市民アンケートでは料金が安価で気軽に行ける場所が魅力との意見があった。さまざまな意見を踏まえながら検討していく必要がある」と述べた。
整備については民間投資による整備を優先して検討を進めるという。
このほか、委員会では議案2件を原案通り可決。入江運動公園総合体育館(栗林商会アリーナ)について「バリアフリー法違反の究明を求める件」「交付金不正受給の究明を求める件」の請願2件は不採択とした。