
15日、イスラエルの攻撃で炎上するイラン・テヘランの石油貯蔵施設(ゲッティ=共同)
◆―― 死者220人超、幹部殺害
【エルサレム、テヘラン共同】イスラエル軍は15日、イランの首都テヘランで同日、革命防衛隊の関連施設や軍事拠点に「大規模空爆」を実行したと発表した。イランメディアによると、革命防衛隊諜報部門トップら幹部3人が攻撃で新たに殺害された。イラン保健省は、イスラエルが13日に空爆を開始して以降の死者が224人に上ったと明らかにした。
イスラエル軍は同国から約2300キロ離れたイラン北東部マシャドの空港も空爆するなど、標的の範囲を拡大した。イランは15日夜、イスラエルへ向けて再びミサイルを発射。双方の交戦は激化の一途をたどっている。
ロイター通信は16日、関係筋の話として、イランがオマーンとカタールに対して、イスラエルの攻撃が続く限りは停戦交渉をしない考えを示したと報じた。オマーンとカタールは米国と良好な関係を持っている。
イスラエルメディアによると15日夜の攻撃で、同国北部ハイファなどで負傷者が出た。イラン軍報道官は、イスラエルの住民に対して軍事施設などから離れるよう要求した。一連のイランからの攻撃によるイスラエル側の死者は14人。
イランメディアによると、イスラエル軍の攻撃により1200人以上が負傷して入院。うち9割は民間人だとしている。テヘランでは15日、外務省の関連施設も攻撃され、複数の民間人が負傷した。
イスラエル軍は13日未明からイラン中部ナタンズや北西部タブリーズの核関連施設などを空爆し、革命防衛隊トップのサラミ司令官や軍のバゲリ参謀総長のほか、核科学者9人を殺害。14日には南部ブシェール州のガス施設を攻撃した。イランは13日夜から報復攻撃を開始した。