
違法に採捕されたサケ(室蘭海上保安部提供)
不漁などの影響でサケやイクラの高騰が続く中、サケの遡上時期を迎えた胆振管内では、密漁が相次いでいる。室蘭海上保安部は9月中旬から10月下旬までの間、管内河口付近での取り締まりで13人を検挙しており、今後も警戒を強化する。
同海保によると、道漁業調整規則違反、水産資源保護法違反などで検挙されたのは、登別市や苫小牧市のほか、札幌などに住む20~60代の13人。採捕禁止の区域となっている白老町の敷生川や白老川河口付近で、魚体に直接釣り針をかける「引っかけ釣り」などを行い、違法にサケを捕った疑い。違反すると1年以下の懲役や50万円以下の罰金が課せられる。
同時期による過去2年間の密漁による検挙数は、2020年3人、21年4人。そのうち昨シーズンは3人が逮捕されている。
今季、密漁者の検挙が13人と大幅に増えた要因について、同海保は「正確には分からない」としつつ、人口が多い首都圏に近い立地に加え、レジャー目的による「軽い気持ちで行っている人が多い」と話す。
犯行の特徴として、人目に付きにくい夜間の犯行が後を絶たないほか「白昼堂々と密漁する人も多い」(同海保)という。
後を絶たない悪質な被害に、地元漁業関係者などからは取り締まりの要請が寄せられるという。同海保は巡回を強化するなど、引き続き警戒を強めている。