北海道電力泊原発3号機の再稼働に同意することを赤沢経産相(右)に伝えた鈴木直道知事=18日午後、経産省
鈴木直道知事は18日、経済産業省で赤沢亮正経産相と会談し、北海道電力泊原発3号機(泊村)の再稼働に同意すると正式に伝えた。泊原発が豪雪地帯に立地しているとして、事故時に用いる避難道路や港湾を国が主体的に整備することなど10項目を要請した。赤沢氏は「地域の実情を踏まえた要望で重く受け止める」と応じた。
泊3号機は7月に原子力規制委員会の再稼働審査に合格した。その後、当時の武藤容治経産相が再稼働への理解を要請しており、それに応えた形。
鈴木氏は高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定のプロセスが寿都町と神恵内村で先行している現状に言及。処分場受け入れに向けた調査が「全国的な広がりが見られない」と指摘し、最終処分事業の理解促進に向けた丁寧な説明を求めた。
会談後、鈴木氏は報道陣の取材に「今回の要望を国にやってもらえるか確認しつつ、新たな問題があれば国に対応を求めていく」と話した。
北電は2013年7月、泊原発の再稼働審査を規制委に申請し、今年7月に合格。再稼働は海抜19メートルの防潮堤の建設が前提となっており、完成後の27年早期の再稼働を目指している。
◆―― 大雪で避難路通行止めも 防災計画に課題指摘
鈴木直道知事が再稼働に同意した北海道電力泊原発3号機(泊村)の重大事故時の対応を巡り、地元からは、避難経路が雪で閉ざされがちなことへの懸念や、インバウンド(訪日客)への情報提供などに課題があるとの指摘が出ている。
泊原発は札幌市の西方、積丹半島の付け根に位置する。国の防災計画では重大事故時、周辺住民は山間部や沿岸部を通って避難するとしている。
泊村や、隣接する神恵内村の村民の主な避難経路は、半島の山間部を横断するように延びる道道。しかし道によると、この区間では過去5年間に降雪や吹雪による通行止めが7回発生し、解除まで数日かかることもあった。神恵内村の高橋昌幸村長は再稼働を巡って4日に鈴木知事と面談した際「冬に安心して通れるような対策を」と求めた。
スノーリゾートで冬季に訪日客が集中するニセコ町は、道の聞き取りに対し「(事故時に)国内外の観光客が常に即座に理解し、行動できる取り組みが急務」と意見を出した。訪日客の避難場所の確保に向け、複数の自治体での議論が必要だとも指摘している。
鈴木知事は12日の記者会見で「不安や懸念の声に対応を続ける」と述べた。



























































