火災があった日本製鉄の製鉄所＝１日午後０時８分、室蘭市（共同通信社ヘリから）

　１日午前０時５５分ごろ、室蘭市仲町にある日本製鉄北日本製鉄所室蘭地区構内で「爆発音がする」と近隣住民から１１９番があった。市消防本部や日鉄などによると、燃えたのは鉄を取り出すために高炉に熱風を送る「熱風炉」と呼ばれる付帯設備で、約１０時間半後に鎮火した。けが人の情報はなく、工場外への延焼もないとみられる。

　日鉄の担当者は「高炉を止め、具体的な状況を確認中」と説明。製鉄所の敷地面積は４３３万平方メートルで出火当時、工場は稼働していた。主にエンジンや駆動系の部品など、自動車関連向けの製品を造っているという。

　熱風炉がある高炉では、９月１０日に溶融物が流出するトラブルが発生。１０月中旬に段階的に生産を再開し、１１月下旬に通常の体制に戻したばかりだった。



◆――　「家揺れた」近隣に緊張
　日鉄工場で未明に起きた、爆発音を伴う火災は付近住民を驚かせた。「爆風で家が揺れた」と話す住民もあり、周辺地域に緊張が走った。

　海岸町の女性（５１）は「家全体が揺れた感覚だった」と言い、「突然の揺れに驚き、不安でしばらく眠れなかった」と振り返る。大沢町の７０代男性は、構内から立ち上る煙に「大きな事故だと思った。けが人がいなくてよかった」と語った。

　中島町の会社員嶋田香織さん（４２）は「消防車のサイレンの音で目が覚めた」。１時間以上、サイレンが鳴りやまない状況に「何か大きな事故があったのかと心配になった」と話した。