秋田県警本部で開かれたクマ対策チームの出動式=13日午前、秋田市
警察官によるライフル銃でのクマの駆除が13日、可能になった。人的被害が深刻な秋田、岩手両県の県警は、機動隊や県外の警察から派遣された銃器対策部隊でつくるクマ対策チームの出動式をそれぞれ開いた。秋田市の県警本部前では小林稔本部長が「県民の安全・安心を脅かす深刻な事態。市町村との連携を密にし活動してほしい」と訓示。岩手県警の増田武志本部長は県庁で、警察官によるクマ駆除の手順などを副知事らに説明した。
岩手県滝沢市にある機動隊の隊舎前では、県警幹部が「期待と信頼に応える力強い警察を体現し、地域住民の安全確保を最優先としてほしい」と激励。両県では応援の警察官を含めた機動隊のスナイパーら計8人が4人ずつ2班に分かれて、クマの出没が相次ぐ地域で警戒活動に当たる。
警察庁の楠芳伸長官は定例記者会見で「ライフル銃によるクマ駆除の任務を適切に遂行し、被害を防止するための取り組みを進める」と述べた。
両県警は地元猟友会からクマの特性や急所を学び、自治体判断による「緊急銃猟」が行われた現場を訪れるなど研修を重ねてきた。岩手県警の増田本部長は13日、県庁を訪れ、クマ駆除を担う部隊の運用などについて副知事や担当職員に説明。終了後の取材に「ライフルの扱いの練度を向上し、現場で的確な判断ができるよう習熟を図りたい」と話した。
警察庁は6日に国家公安委員会規則を改正し、13日施行された。ライフル銃の使用対象に鳥獣保護管理法が定めるクマなどの「危険鳥獣」の捕獲や駆除を追加。緊急銃猟でハンターの対応が間に合わない場合、警察官職務執行法に基づき警察官が駆除する。
【クマ被害】環境省によると、日本に生息するのは道内のヒグマ、本州・四国のツキノワグマの2種類で、少なくとも34都道府県で確認されている。住宅街で餌を探す「アーバンベア」が増えた背景として、耕作放棄地の拡大や中山間地域での人間活動の低下が指摘されている。今年は餌のドングリの凶作が重なり、被害が増えたとみられる。環境省は昨年4月、国が捕獲や調査を支援する「指定管理鳥獣」にクマを追加。今年9月には市街地でも緊急時は自治体判断で銃猟が可能になった。



























































