記念写真に納まる、学生フォーミュラ日本大会の出場者とマシン=9月、愛知県常滑市(©2025自動車技術会)
大学生チームが1年かけて製作したレーシングカーで競う「学生フォーミュラ日本大会」が20年以上続いている。マシン性能は年々進化。自動車業界に就職する参加者も多く、愛知県国際展示場(常滑市)で開かれた今年は国内外の83チームが参戦した。安全性を第一に、スピード、かっこよさも兼ね備えたマシンづくりに青春を懸ける。
学生フォーミュラは「教室の中だけでは優秀なエンジニアが育たない」との考えから米国で始まり、日本では自動車技術会が2003年から開催。内燃機関車(ICV)と電気自動車(EV)の2部門があり、学生が自ら企業や団体と交渉し、費用や技術的支援を受け製作に挑むのが特徴だ。
各チームは事前に試走動画などを提出。出場権を得てから設計やコスト、プレゼン内容を判定する「静的審査」に進み、車検を経てコース走行成績を競う「動的審査」に臨む。両方の審査の合計得点で順位が決まる。
約2500人が参加した9月の今大会、記者は神戸大のICVチームに密着した。ドライバーの4年室谷匠さん(22)ら40人超のチームで、21年に総合優勝した強豪だ。
昨年の総合3位からの飛躍を目指し、新たなマシン設計を進め、年明けに製作に着手。4月に試走を始め、走行距離を重ねて大会に臨んだ。
71の団体・企業の援助を受けて完成させた車体は、4気筒エンジンで後部にウイングを搭載。低重心化に成功し、コーナーでの走りに手応えがあったが、6日間の大会の審査は甘くなかった。
3日目までに車検の項目を一つ一つクリアしていったが、騒音検査が何度も不合格に。チームに緊張が走った。4日目。「出走できなかったら意味がない」とエンジン排気音を抑えるマフラーの改造に踏み切った。エンジン出力低下も覚悟しての最終手段が奏功し、5度目の検査で合格した。
5日目、神戸大は約1キロのコースをドライバー2人で計20周する目玉種目「エンデュランス」に出走。快調に周回数を重ねたが、残り1周で失速して止まり、再起動できずに無念の棄権となった。ICV部門22位で今年の挑戦を終え、室谷さんは「帰ってからマシンを解体して原因を探す。そうしないと新しいマシンの設計はできない」と来季を見据えた。
今大会は中国、タイなどの海外勢も躍進。ICVは京都工芸繊維大が4連覇を達成し、EVは名古屋大が頂点に輝いた。
仲間と一緒に繊細なマシンと格闘するうちに、身につくものがきっとある。運営委員の土屋高志福井工業大教授は「ゼロから車づくりに関わることは普通はない。得がたい経験を社会に出て生かしてほしい」と語った。


























































