会談前に握手を交わすトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席=30日、韓国・釜山(AP=共同)
【慶州共同】トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が30日、韓国で会談した。貿易摩擦の激化を回避するため、対中追加関税の引き下げや中国のレアアース(希土類)輸出規制を巡り両国が歩み寄れるかどうかが最大の焦点だ。対面での会談は第2次トランプ政権では初めて。
会談は釜山の空港で開催し、冒頭で両氏は握手した。トランプ氏は「習氏と長期間にわたって素晴らしい関係を築くだろう」と述べ「会談は成功する。疑いの余地はない」とした。習氏は中国と米国はともに繁栄できると強調した。
二大経済大国が緊張緩和に向かうかどうか世界が注視する。台湾情勢でも意見を交わす見通し。
第2次トランプ政権下で米中両政府は関税引き上げの応酬を展開し、一時互いに100%を超える追加関税をかけ合う事態となった。互いの経済への影響は大きく、5回の閣僚級協議を通じて関係改善を図ってきた。
5回目の協議はマレーシアで実施。ベセント米財務長官は、中国がレアアースの輸出規制を1年延期することや、大豆など米国産農産物の輸入を拡大する枠組みで合意したと説明していた。
米国産大豆を巡っては中国が輸入を止め、米国の農家に大打撃となっている。農家に支持層が多いトランプ氏にとって譲れない問題だ。ベセント氏は、米中首脳会談後に出る発表は「米国の農家にとって大きな勝利になるだろう」とX(旧ツイッター)に投稿した。
合成麻薬フェンタニルの議論も注目される。米政権は中国で原料が製造され、メキシコなどを通じて米国に流入していると非難し、中国に20%の追加関税を課している。トランプ氏は29日、中国の対策強化の約束と引き換えに引き下げることを示唆した。
【レアアース(希土類)】レアメタル(希少金属)の一部で、17種類ある元素の総称。電気自動車(EV)のモーターなどハイテク製品に幅広く利用される。中国は生産量世界一で、各国が調達を依存。中国は4月、米国の対中関税への報復として7種類のレアアースを輸出規制対象に加えた。今月9日には中国産レアアースを含む製品は海外製造であっても中国の輸出許可を得る必要があるとの規制強化案を公表した。

































































