
室蘭市民美術館で開かれたバイオリンコンサート。市民らが油絵の展示会とともに、絵画と音楽のコラボ演奏会を楽しんだ=昨年5月
室蘭民報など地方新聞47紙と共同通信社が全国のまちづくりを応援する第16回地域再生大賞は、第1次選考を通過した全都道府県の団体やプロジェクト計51件が17日までに出そろった。室蘭市からは「室蘭市民美術館をささえる会」(児玉智明会長)が選ばれた。
サブテーマは「明日をともに創る~吹き始めた風」。他の地域でも参考になるようなポイントや活動の広がりに着目し、審査を進める。来年1月下旬に大賞など各賞を発表し、3月5日に表彰式を開催する。
各紙や共同通信が選んだ51件の活動分野は居場所づくりやにぎわいの創出、伝統の継承、環境保全など多岐にわたる。ふるさとの魅力を再発見し、過疎化に立ち向かう。災害からの復興の動きは地道に続く。
室蘭市民美術館をささえる会は「室蘭に美術館がほしい」との思いから2000年に市民の会を結成。08年に美術館設置が決まり名称を「ささえる会」に変更、同年の開館につながった。美術館では趣味で絵を描く人たちに発表の場を提供するとともに、優秀な作品を表彰している。昨年11月には開館16年目で入館者数20万人を達成した。
委員長の沼尾波子東洋大教授ら4人の選考委員が新規性や地域とのつながり、発展性といった観点から書類審査、現地視察を実施する。大賞の副賞は100万円。
各団体の活動は新聞紙面や地域再生大賞の公式サイトなどを通じて広く発信する。
地域再生大賞は2010年度から毎年度開催しており、これまでに延べ752団体を表彰した。前回は栃木県真岡市を拠点に妊娠や子育てに悩む人の相談や支援に取り組む「そらいろコアラ」が大賞に輝いた。
【地域再生大賞】全国の地方新聞47紙と共同通信社が地域活性化に取り組む団体やプロジェクトを表彰している。2010年度から毎年度開催。大賞、準大賞、優秀賞などを設け、これまでの表彰数は延べ752に上る。分野はまちづくり、交流・居場所づくり、防災・災害復興、地域ブランドなど幅広い。