
自民党総裁選に立候補している5氏。左から届け出順に、小林元経済安保相、茂木前幹事長、林官房長官、高市前経済安保相、小泉農相。5候補のうち1回目投票では誰も過半数を獲得できず、上位2人による決選投票になるのは確実な情勢となっている=2日(小泉氏はロイター=共同)
自民党総裁選は4日に投開票を迎える。5候補のうち1回目投票では誰も過半数を獲得できず、上位2人による決選投票になるのが濃厚な情勢だ。上位争いは小泉進次郎農相、高市早苗前経済安全保障担当相、林芳正官房長官の3氏が軸で、混戦が見込まれる。5候補は大阪市で開かれた選挙中最後の演説会でそれぞれの主張を訴えた。
党は2日、投開票日の流れを公表した。午後1時から議員による投票を始め、午後2時10分をめどに結果を発表。決選投票の場合は、午後3時20分ごろに結果が判明する。新総裁の記者会見は午後6時ごろを予定している。
報道各社の調査では、小泉、林、高市の3氏が議員票で上位を占める。自民支持層調査では高市、小泉両氏が先行し、林氏が追う展開だ。小林鷹之元経済安保相、茂木敏充前幹事長は伸び悩んでいる。
議員40人超が態度を明らかにしていないが、決選投票には小泉、高市両氏が進むとの観測が強まっている。林氏は郵政や農業関連などの支援団体への働きかけをてこに上積みを図る。2日には決起集会を開き、議員30人超が出席した。関係者は「盛況だった」と手応えを語った。
演説会には高市、小林、茂木の3氏が出席した一方、小泉、林両氏は公務を理由に欠席し、事前収録したビデオメッセージを流した。高市氏陣営からは「なるべく全員参加できる日程を組むべきだった」と総裁選挙管理委員会の対応を問題視する声が上がっている。
5人は発言の中で、安保政策を説明した。小泉氏は来日調整中のトランプ米大統領と共に「日米同盟は揺るがないと世界中に見せつける」と強調。高市氏は偽情報対策の強化を唱えた。
林氏は、防衛費の国内総生産(GDP)比2%到達が当初予定の2027年度より前倒しできると述べた。小林、茂木両氏は2%目標の引き上げが必要だと主張した。