
チャーリー・カーク氏の追悼式典で、カーク氏の妻(右)と抱き合うトランプ米大統領=21日、アリゾナ州グレンデール(AP=共同)
【グレンデール共同】今月10日射殺された米保守系活動家チャーリー・カーク氏(31)の追悼式典が21日、西部アリゾナ州グレンデールのスタジアムで開かれた。トランプ大統領は演説でカーク氏を「偉大な愛国者として永遠に記録されるだろう」と称賛した。バンス副大統領、ルビオ国務長官、ヘグセス国防長官らも登壇。来年11月の中間選挙をにらみ、政権を挙げてカーク氏を悼んで保守層の結束を図った。
カーク氏はトランプ氏の熱烈な支持層「MAGA」の代表格で、昨年の大統領選では保守派の若者票を掘り起こしてトランプ氏の勝利に貢献した。トランプ氏は「米国は世界で一番勢いのある国になり、その一助を彼が担った」と述べた。式典には数万人が参加。スタジアム周辺には早朝から長蛇の列ができた。
トランプ氏は「暴力の大半は左派がもたらす」と一方的に批判した上で「政治的暴力をあおる過激な左派のネットワークを司法省が捜査している」と述べ、左派を含めた民主党勢力との対決姿勢を強めた。
保守派ではカーク氏を英雄視する風潮が高まっている。一方、野党民主党内では、銃規制に反対し性的少数者の権利擁護にも否定的だったカーク氏をたたえることに反発の声が上がり、米社会の分断が深まっている。
会場では大統領警護隊(シークレットサービス)や地元警察が動員され、参加者に荷物の持ち込みを禁止するなど厳重な警備が敷かれた。
カーク氏は、西部ユタ州の大学での討論会中に銃撃された。検察はタイラー・ロビンソン容疑者(22)を殺人などの容疑で訴追した。容疑者は、カーク氏がトランスジェンダーらへの憎悪を広めているとして不満を示していたとされている。