
8日、兵庫県西宮市で見られた皆既月食。午前1時27分から4時57分に撮影した6枚を右から並べると、丸い地球の影が浮かび上がった
月が地球の影にすっぽり隠れて暗くなる「皆既月食」が8日未明、日本各地で観測された。およそ3年ぶり。午前1時半ごろに一部が欠ける部分食が始まった後、2時半~4時ごろには皆既食となり、赤黒く染まった満月が夜空に浮かんだ。
皆既月食は太陽と地球、月が一直線に並ぶ条件がそろった満月の日に起こる。地球の大気を通り抜けたわずかな赤い光が、影に入った月を照らすため赤黒くなる。月食は南の空から西に沈む間に起こり、西日本ではより高い位置で観測できた。
広島市の原爆ドーム前では、カメラやスマートフォンを手に空を眺める人たちの姿が見られた。雲の隙間から月がのぞくと、「出た出た」という声とともにシャッター音が鳴り響いた。広島県東広島市の男性は「今日は朝から仕事だけど、せっかくの機会なので撮りに来た。曇っていたが、何枚か良いのが撮れたので来たかいがあった」と満足そうに話した。
国立天文台によると、次に日本で観測できるのは来年3月3日。