
渋滞する道路を横断する子どもたち=30日午前10時、登別市千歳町
津波警報の発表を受け、西胆振の沿岸自治体では住民に避難を指示し、避難所を開設した。高台などに避難する人もいた。交通機関では通行止めや運休などの影響があった。太平洋沿岸部は30日夜に津波注意報に切り替わった。
各自治体は警報発表とともに災害対策本部を設置。エリアメールや防災無線などを通じて、沿岸部の住民に避難を指示した。
学校や公共施設に一時避難施設や避難所が開設された。室蘭市は一時避難施設の43カ所に最大3400人が詰めかけた。登別市は避難所を6カ所開設したほか、高台の施設などにも合わせて約2500人が避難。伊達市はだて歴史の杜カルチャーセンターなど市内3カ所に一時、500人以上が身を寄せた。
洞爺湖町は対象となる約2400世帯、豊浦町は約1900世帯、白老町は町内全域に避難指示を出した。室蘭市や伊達市は午後6時までに、市内全域に出していた避難指示の一部を解除。室蘭市は市内10カ所に避難所を集約し、午後7時までに437人が避難した。
JR北海道は、特急「北斗」「すずらん」など函館線や室蘭線などで終日、運転を見合わせた。室蘭線は普通列車50本が運休した。伊達紋別駅では、津波警報を受け特急車両が緊急停車し、伊達市が乗客約150人を伊達西小学校で受け入れた。
道南バスは警報発表に伴い、避難指示や幹線道路の通行止めが生じたため、一部路線を除き、午後2時発以降の全便を運休した。
津軽海峡フェリーは、室蘭-青森間の運転見合わせの対応をしている。
高速道路は、道央道の苫小牧中央IC(インターチェンジ)-大沼公園ICを通行止めにした。
室蘭開発建設部は室蘭市入江町の国道36号など11カ所を通行止めにした。
登別では温泉街や登別駅などで移動手段を絶たれた訪日客(インバウンド)の一部が、最寄りの避難所に入った。
室蘭信用金庫は、一部を除く室蘭、登別、白老などの各支店を休止した。伊達信用金庫も営業を一時停止した。