
記者会見する立憲民主党の野田代表=21日午前1時2分、東京・永田町の党本部
立憲民主党は物価高を巡る石破政権の対応を「無策」と批判し、原則1年の食料品の消費税率0%やガソリン税の暫定税率廃止を前面に訴えた。改選1人区は主要野党間で候補者すみ分けに努め、比例代表と合わせて改選22議席からの上積みを図ったが、不振。野田佳彦代表は記者会見で、改選1人区の候補者調整は一定の効果があったとしながら「政権に代わる受け皿として多くの声を結集できるまでに至っていない」と述べた。
野田氏は記者会見で「大きく前進できなかったことは分析しないといけない」と語った。民放番組などで、続投の意向を示した石破茂首相は辞任すべきかどうかを問われ「政権にノーの民意が表れた。それを受け止めていくべきだ」と指摘。首相が続投する場合の内閣不信任決議案提出について「当然視野に入ってくる」と述べた。自民党との大連立は否定した。
今後の対応に関し「基本は野党の結集で、受け皿をつくれるかどうかだ」と指摘。連携相手として国民民主党などを挙げた。ガソリン税の暫定税率廃止へ野党で取り組む考えも示し「できることを積み上げながら、政権構想を誠意ある対話の中で見いだすことが、大事なプロセスになる」と述べた。
野田氏は各地の演説で「物価高から、あなたを守り抜く」と強調。日々の暮らしを支える姿勢をアピールした。
接戦の改選1人区と複数人区での取りこぼし回避に注力した。保守地盤が厚いとされる宮崎で議席を得たが、野党候補者が乱立した福井と奈良は自民に議席獲得を許した。
◆―― 与党苦戦も終始淡々
物価高対策で消費税減税を掲げた立憲民主党の野田佳彦代表は、与党の苦戦ぶりに「国民が石破内閣に不信任を突きつけた」と強調した。立民の議席獲得には「大きく前進できなかったことは分析をよくしていかなければならない」と、終始淡々とした様子で述べた。
政権交代に関する質問に「まずは野党連携だ。各党と誠意ある対話をしたい」と語った。物価高対策については「(自公が)あまりに無策だった」とし、今後は「最大公約数を見つけて減税まで持って行く。それをまとめるのが野党第1党の責任だ」と意欲を見せた。
午後9時45分ごろ、東京・永田町の党本部では、野田氏が当選を決めた候補者の名前が書かれたプレートをボードに掲げた。カメラマンから「笑顔で」と声をかけられても、応じなかった。