
第173回芥川賞、直木賞の選考会で、いずれの賞も該当作なしと発表された=16日午後、東京都内
第173回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京都内で行われ、いずれの賞も該当作なしと発表された。両賞とも受賞がないのは1998年の第118回以来27年ぶり。時代を象徴する話題作を輩出してきた両賞だけに、不況にあえぐ出版業界に影響を与えそうだ。
芥川賞の選考会終了後、選考委員の川上弘美さんは「それぞれ心引かれるものがありながら、何かが足りなかった」と指摘し、「受賞作を出せなかったことは選考委員一同、非常に残念に思っている」と話した。
芥川賞には、詩人としても活動する向坂くじらさん(31)の「踊れ、愛より痛いほうへ」や大学生作家の日比野コレコさん(21)の「たえまない光の足し算」など4作がノミネートされていた。
直木賞には初めての候補入りとなる塩田武士さん(46)の「踊りつかれて」や夏木志朋さん(36)の「Nの逸脱」、「孤狼の血」で知られる柚月裕子さん(57)の「逃亡者は北へ向かう」など6作が挙がっていた。
賞金は各100万円。