
米国から帰国し、取材に応じる赤沢経済再生相=30日午後、羽田空港
◆―― 対米交渉の進展見通せず
トランプ米大統領は29日放送の米ニュース番組のインタビューで、日本との自動車貿易について「不公平だ。日本にはそれを説明した。彼らも理解している」と述べ、改めて不満を表明した。日本が要求する輸入車に対する25%の追加関税の引き下げに難色を示し、強硬姿勢を維持した。自動車関税は日米合意の最大の障壁となっており、交渉の進展は依然見通せない状況だ。
赤沢亮正経済再生担当相は30日、7回目の閣僚交渉から帰国。米国の滞在期間を1日延ばして関税交渉の指揮を執るベセント財務長官との会談を模索したが、かなわなかった。トランプ氏の発言に関しては「コメントを差し控える」と記者団に語った。米側との今後の協議日程は具体的に決まっていないという。
相互関税の上乗せ分の停止期限は7月9日に迫り、期限延長がない場合には日本への追加関税は10%から24%に上がる。交渉停滞が続けば、日本企業の打撃が一段と大きくなる。トランプ氏はこれまで、米自動車産業が日欧などのメーカーから不当に苦しめられていると主張しており、事態打開には難路が続きそうだ。
トランプ氏は、日本は米国車を受け入れないが、米国は日本車を大量に輸入していると持論を展開。「『親愛なる日本の皆さん、自動車には25%の関税がかかります』と書簡を送ることもできる」とも話した。現時点では自動車関税の引き下げに応じない意向を示唆したとみられる。
トランプ氏は「日本は(米国から)石油を輸入できる。他の物もだ」と強調し、輸入拡大も迫った。
赤沢氏は、米東部時間27日にラトニック商務長官と約1時間会談し、翌28日に短時間の電話協議を2度実施した。