
最終運行日を迎え、JR仙台駅を出発する「カシオペア」=30日午前
道内と本州を結ぶ豪華寝台特急として四半世紀にわたって人気を博した「カシオペア」が30日、最終運行日を迎え、JR上野駅に向けて仙台駅を出発した。ホームにいた大勢の観光客や鉄道ファンらが写真を撮ったり手を振ったりして、旅立ちを見送った。車両の老朽化に伴い、寝台列車としては6月で引退することが決まっており、これがラストランとなる。
カシオペアは1999年7月、上野―札幌間で運行を開始した。寝台車10両、食堂車1両、ラウンジ車1両の12両編成。オール2階建ての客車に個室を備え、大きな車窓からの眺めを楽しめる展望室タイプの部屋もあるなど、豪華仕様が話題を呼んだ。
北海道新幹線が開業したのに伴い2016年に定期運行を終了。その後はツアー専用列車として不定期に運行していた。
今回は、上野―仙台間を2泊3日で往復する夜行列車ツアー。乗客は6月28日夜に上野駅を出発してカシオペア車中で1泊。29日は宮城県内を観光して宿泊施設で過ごした。30日は午後に上野駅に到着する予定だ。
夫婦で参加した新潟市の会社員塩田信彦さん(50)は「カシオペアの集大成に立ち会えた。引退は寂しいけれど、車内でたくさんの人と仲良くなり、とても楽しい時間を過ごした」と笑顔で話した。