2025年5月23日(金曜日)

  1. トップ
  2. むろみんホットニュース一覧(室蘭)
  3. 「地域医療守る」組合決断 市立室蘭、給与削減合意
写真:室蘭満天花火 2025年9月6日(土)開演!!
写真:室蘭・登別・伊達の医療情報 2025むろみんメディカルガイドブック
写真:ぶどうの木

2025/05/23 05:00室蘭

「地域医療守る」組合決断 市立室蘭、給与削減合意

記事写真メイン

給与削減で労働組合と合意した市立室蘭総合病院

◆―― 病院統合、将来像見えぬまま
 市立室蘭総合病院(山手町)が経営改善策として提案していた職員給与削減の労使交渉が、合意に至った。組合側は経営改善の必要性は十分理解しながらも、赤字が職員に起因するものではないとして当初反対したが、「公立病院を守るため」との判断から妥結した。提案から3カ月余。労働組合、職員の動きを探った。

 収支を大幅に改善しなければ市の連結決算に大きな影響を与えることや、行政運営にも支障を来すことが想定される-。1月下旬、病院事務局から組合執行部に経営状況が示された。給与減額が正式に提案されたのは2月5日の団体交渉だった。医師と人事交流職員以外の全職員を対象に、正職員で一律11%、会計年度任用職員で5%の削減-との内容だった。

 「赤字の原因は職員に起因するものではない。職員は精いっぱい働いている。11%の削減は大きすぎ。納得できなかった」。組合の小林美奈執行委員長は振り返る。公立、民間問わず病院経営の厳しさが全国的にいわれる中、「市立の赤字は事実だが、国の医療政策が大きな要因。職員に負担を強いるのは違う」と指摘する。

 病院事業会計は、市の一般会計から毎年約16億円の繰り入れが行われている。2025年度当初予算でも16億円超を繰り入れし、25年度末決算見込みで37億円超の資金不足の可能性が明らかになった。国の健全化法に基づく資金不足比率20%未満が至上命題となっている。

 病院の厳しい状況を組合も把握しているから妥結に時間を要した。以前から現場レベルで業務改善を進めてきたが、改めて医療器具使用時のルール見直しなどを病院事務局とすり合わせてきた。団交や事務折衝は数十回に及んだ。

 感染症患者や災害発生時の患者受け入れなど、公立病院として果たしてきた役割もあり、小林委員長は「相当悩んだ。病院が大変なことは理解しているが、公立病院を守るために判断した」と述べた。

 病院、組合双方が歩み寄り、着地点は正職員9%、会計年度任用職員4%。削減幅は縮まり、当面の間との削減期間は26年度末で一致した。

 新井一病院事業管理者は「職員に負担をお願いせざるを得なく心苦しく、大変申し訳ない」とする。

 ただ、市立病院の将来像が見えないままの決着に、不安を残したことも事実。総合病院の再編に伴い、市立病院は日鋼記念病院との統合を進める考えだが、交渉の過程でも今後の在り方について明確な回答はなかったという。小林委員長は「統合で病院自体がどうなってしまうのか分からず、先行きが見えないことも、時間を要した要因」とする。

 渡邊勇貴書記次長は「西胆振の医療圏は地域の総合病院でカバーしている。市立病院で受け入れられず他地域に患者が運ばれたこともある。病院を集約することは大事だが、地域の医療を守れるのか。住民が医療を受けられなくなる事態だけは避けなければいけない」と強調した。

あなたにおすすめのニュース

写真:ドッグフードの神様
写真:Men’s clinic Dylan
写真:医療法人財団 匡仁会
写真:hadato
写真:シミ対策クリームおすすめ人気
写真:カスタムライフmedical
写真:フラワージュ美容クリニック
写真:iPhone買取市場
写真:AIスキルMEDIA
写真:ペアルック専門ショップ PairLuna
写真:骨格ウェーブ専門ショップ Wavelish
写真:玄珠米
写真:ぶどうの木
写真:のぼりべつエゾシカ
写真:共同通信社
写真:日本新聞協会
写真:47NEWS
写真:北海道ニュースリンク
写真:地域再生大賞