
参院予算委の集中審議で答弁する石破首相=19日午前
◆―― 米関税、不退転の決意強調
石破茂首相は19日の参院予算委員会集中審議で、トランプ米政権との関税交渉を巡り「期限は念頭に置くが、期限に拘泥するあまり、国益を損なうようなことをするつもりはない」と述べた。自動車を含めた米国の高関税政策は受け入れられないとし「不退転の決意で臨む」とも強調した。
対米交渉を担う赤沢亮正経済再生担当相は「日本の農業を犠牲にしない」と説明した。
江藤拓農相は、高騰するコメ価格の安定に向け実施している政府備蓄米の放出に関し「国民の期待する結果が出せておらず、大変重く責任を感じている」と陳謝し、備蓄米が行き渡るよう指導監督を強めるとした。
立憲民主党の打越さく良氏は、国会提出が大幅に遅れた年金制度改革法案について、参院選を控えた自民党参院を中心に慎重論が根強かったことを念頭に「自民の都合で遅らせたのではないか」と追及。首相は「自民の都合ではない」と反論した。
政府が基礎年金(国民年金)の底上げを見送ったことに関し「賛否両論あり、結論を得るには多少の時間がかかる」と指摘。「年金改革を全て先送りにして良いことにはならない」と述べ、理解を求めた。
首相は、日本からの出国者に1人千円を課す「国際観光旅客税」(出国税)の引き上げに前向きな姿勢を示した。日本人、外国人を問わず課される同税のうち、海外からの旅行客分に関する引き上げの提案を受け「政府でよく検討したい」と応じた。
経済対策として減税の財源を赤字国債発行で賄うべきだとする主張について「税収は増えているが、社会保障費も増えている。賛同できない」と、否定的な見解を示した。