
18日、バチカンのサンピエトロ広場で就任ミサを行う新ローマ教皇レオ14世(中央)(ゲッティ=共同)
【ローマ共同】世界約14億人のカトリック信者の頂点に立つ第267代の新ローマ教皇レオ14世(69)の就任ミサが18日、バチカンのサンピエトロ広場で執り行われた。新教皇の誕生を祝うため、約20万人(教皇庁発表)の信者らが集結。教皇は参列した各国の要人を前に「平和な世界を築こう」と呼びかけ、カトリック教会が和解の象徴となるように力を尽くすと誓った。
教皇は広場に面したサンピエトロ大聖堂の地下にある初代教皇ペトロの墓で祈りをささげた後、高位聖職者の枢機卿らと共にミサ会場に到着。教皇の権威の象徴である「漁師の指輪」と、十字架の刺しゅうがある白い羊毛のパリウム(肩衣)も初めて身に着け、レオ14世体制が本格始動した。
新教皇は労働者の権利を擁護したことで知られるレオ13世(在位1878~1903年)にちなんで同じ名前を選び、理想の教皇像としている。ミサの説教では「地球の資源や貧しい人を搾取する経済システム」を批判し、優先事項として取り組むと表明した。
教皇庁によると、ミサには約150の国・国際機関から代表団が参列。教皇の出身地・米国のバンス副大統領やウクライナのゼレンスキー大統領、イスラエルのヘルツォグ大統領らが出席。日本政府は麻生太郎元首相を派遣した。
会場付近では、4月に前教皇フランシスコの葬儀が営まれた際と同様に厳戒態勢が敷かれた。イタリアメディアによると、治安当局は警察官ら数千人を配置し、バチカン周辺を飛行禁止区域に指定した。
レオ14世は8日、コンクラーベと呼ばれる選挙で、米国出身者として初めて教皇に選ばれた。